私が医学図書館員になるまで

なったとは言ってない

第32回医学情報サービス研究大会に参加しました

すでに一週間以上たってしまいましたが、日本の医学系図書館員が"Learning from each other!"をモットーに開催している医学情報サービス研究大会(MIS)に参加しました。

mis.umin.jp

昨年までこの大会の存在すら知らなかったのですが、参加してみて熱気溢れるよい大会だなと感じました。大学・病院・公共と参加者の所属が幅広いのもよかったところで、ノーマークだった取り組みに刺激を受ける一方、普段から視野を広く情報収集しておかないとなと反省。

東邦大・順天堂大と中心とした「Research&Writing」の方々からは、定量的な分析のオンパレード。「ぼくら研究してます」感が半端ない。「R&W」では自分の発表テーマを持って、勉強会で進捗状況を報告して、最終的には論文を執筆するということをやっていらっしゃるとお聞きしました。研究時間の捻出の方法について伺うと「研究をすることが推奨されているのでわりと大らか」にやっていらっしゃるようです。なにより先輩や仲間から「こういう視点から分析してみたら ~」などのアドバイスをもらえるというのがうらやましい点。こういう指摘ができる人が自分の身近にはいないんですよね。やるとすれば自分と、信頼できる仲間でまずは模索していくしかないかしら。

公共図書館の発表では、長崎市立図書館の医療情報サービスの提供やナラティブ支援についての発表が興味深かったです。定量的な調査よりは、質的調査やナラティブが私には合っている気がする。患者さんが図書館にやってきて、司書に話をただ聞いてもらうだけで穏やかになって帰っていく。様々なひとが気軽に訪れ、蔵書の数だけテーマがある。医療の専門家ではなく司書だからこそ引き出せる対話。

「利用者一人ひとりにどう寄り添っていくか」が最近の関心事なので、館種は違えど共感と尊敬を覚えました。「それは図書館の仕事じゃない」というセリフを吐く人には一生かかってもできないサービスだろうな。

来年のMISはその長崎での開催。実行委員の方に「来年、ぜひご発表よろしくお願いします」と名刺を頂戴してしまいました。どんなネタで発表するかは置いておいて、一参加者としてはぜひ参加してみたいです。長崎行ったことない。

そうそう、今回わたくしこそっとポスターを出したのですが、思っていたより前向きなコメントとお褒めの言葉をいただき安堵した次第であります。アンケートにも記念講演や口頭発表に混じってよかったプログラムに挙げてくださっていた方がいて恐縮。

2つ出したうち、学生調査の方はなぜだか図書館員よりも教員の方に受けがよく、 またこちらが問題として提起していることを汲み取ってもらえた印象です。 秘書向け講習会は医学系図書館員のあるあるらしく(ウェブサイトをご覧いただいた他館さまからも以前お問い合わせをいただきました)、うちもやりたいという反応をいただきました。今回ご紹介したのはがんばらなくても、少人数でもできる楽チンな講習会です。だからとりあえずやるといいと思うよ。

どちらのポスターも結論は「個に寄り添う」的なことを言っていて(これを綺麗ごとと片付ける人もいるでしょうが)、そういうわけで長崎市立図書館の方の発表に自身とつながるところを感じて感動したのであります。おしまい。