私が医学図書館員になるまで

なったとは言ってない

【文献メモ】図書館員によるシステマティック・レビュー支援

ここ2ヶ月くらいは大学院生のシステマティック・レビューのための文献検索をしていました。関係しそうな文献をさらっと読んだので、関心がある人はあまりいないでしょうが自分のためにメモしておきます。

www.ncbi.nlm.nih.gov

ライブラリアンがシステマティック・レビューへ貢献するためのプロセスについて書かれた論文*1。うちの大学ではこの雑誌を購読していなくてILLで取り寄せました。

 「システマティック・レビュー作成プロセスへの参加は、サーチャーや文献の整理といったライブラリアンの伝統的な役割の拡大(にすぎない)」というのは共感。

「Challenges and Barriers」で述べられていた「他の業務との時間の兼ね合い」についても実際にやっていて強く思いましたね。私が不慣れなせいもあるけれど、思っていたよりずっと時間をとられてしまった。

MLAには「Role of expert searching in health sciences libraries」というポリシーステートメントがあるんですね。 

www.ncbi.nlm.nih.gov

こちらは内科学分野のシステマティック・レビューについての調査。図書館員が関わっているシステマティック・レビューは、そうではないものに比べて検索の質が有意に(P <0.0001)高い。なのでバイアスを最小化するためにも積極的に図書館員をチームに採用すべきですよ(ということでいいのかな?)。もうちょっとちゃんと読みたい。

www.ncbi.nlm.nih.gov

ステマティック・レビューの著者への割に大規模な横断研究。
約半数のレビューに検索式の立案等で図書館員が関っている。が、そのうち64%しかその事実は謝辞や本文中で触れられていなくて、ライブラリアンが共著者になっているケースはさらに少ないという。
私が始め先生から「ライブラリアンが共著者になる」と聞いたときには「うおおお海外のライブラリアンかっこええー」と思ったものだけれど、この論文ではレビューの質を高めるためにも、もっとライブラリアンは努力すべきということでした。

海外の事例は日本よりはもちろんとても進んでいるけれど、想像していたよりは万事うまくいっているわけではないのだなあと、なぜかちょっと安心したり。私もがんばろう。おしまい。

*1:日本語だとこのあたりの話は諏訪敏幸さんの「看護研究者・医療研究者のための系統的文献検索概説」がとても参考になります